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会見を終え退席する経済同友会の新浪剛史代表幹事=2025年9月3日午後4時4分、東京都千代田区、筋野健太撮影

 ローソンやサントリーホールディングス(HD)のトップを務めた新浪剛史(にいなみ・たけし)氏(66)が、違法性が疑われるサプリメントをめぐって警察の捜査を受けた。新浪氏は「潔白」と主張するが、サントリーHDの会長を辞任し、経済同友会トップの活動は当面自粛することを決めた。歯にきぬ着せぬ発言で知られる経営者に突如浮上した疑惑の経緯をまとめた。

記事のポイント

① 新浪氏はどんな人物か
② どんな疑惑がもたれているのか
③ 新浪氏の言い分は
④ 今後に向けた焦点は

①新浪氏はどんな人物か

 新浪氏は慶大卒業後の1981年に三菱商事に入社。米ハーバード大院でMBA(経営学修士)を取得し、43歳だった2002年にコンビニ大手ローソン社長に就任した。14年からはサントリーHDの社長、会長を務め、日本では珍しい「プロ経営者」として知られる。

 23年には経済同友会のトップである代表幹事に就いた。同友会は経団連、日本商工会議所と並ぶ「経済3団体」の一つ。企業経営者らが個人として参加し、出身企業や業界の利害にとらわれず経済政策や社会問題に関する提言を公表している。

 新浪氏の発言は、しばしば注目を集めた。

 同友会の23年9月の定例記者会見では、旧ジャニーズ事務所の元社長による性加害問題を厳しく批判し、所属タレントを広告に起用することについて「児童虐待を認めることになる」と主張した。24年10月の会見では、政府がめざす最低賃金1500円への引き上げの必要性を強調。「できない企業経営者は失格」「払えない企業は倒産し、他の生産性の高い企業に人が移る」と述べるなど、反発を恐れない率直な意見を発信してきた。

②どんな疑惑がもたれているのか

 捜査関係者によると、福岡県…

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